「お気持ちで結構です」の持つ曖昧さ
お布施、謝礼を費用として捉えるかは別とし、当然、議論の余地は有るが、多くのご遺族の最大の関心は宗教者への支払です。
多くのご遺族は葬儀費用を抑えるため火葬式(直葬)を選びますが、実際は葬儀社が提供する葬儀プラン以外に発生する費用についてはあまり把握しておりません。
お布施、謝礼を費用として捉えるかは別とし、当然、議論の余地は有るが、多くのご遺族の最大の関心は宗教者への支払です。
お布施・謝礼の金額は故人が逝去した時点で初めて通知されるケースが多く、生前に宗教者(司式者)に明確な金額を訊ねても、「お気持ちで結構です」といった曖昧な回答で終わってしまう場合が多々有ります。
宗教への批判では有りませんが、資本主義に基づいた社会においては合理性に欠けた答えです。
摩訶不思議なお布施・謝礼
菩提寺が喪主の主観で決定された額に納得して頂けるか否か
喪主にしてみれば、まさに摩訶不思議な回答です。
お布施・謝礼はご遺族が宗教者(司式者)に支払う故人への施しに対しての対価で有り、ご遺族の主観でお布施・謝礼の額を決定する事は可能です。問題は、菩提寺(先祖代々のお墓のある寺)が喪主の主観で決定された額に納得して頂けるか否かです。
お布施・謝礼が少な過ぎれば遺族は恥をかき、場合によっては、宗教者が「施し」に対して不足していると指摘されるかもしれません。
多過ぎれば後年、葬儀が発生する度に同額を支払い金銭的な負担になり兼ねません。
最終的には、喪主は身内や親戚の情報と経験のもとに金額を決定しますが、菩提寺と一切関係のない葬儀社はお布施の額面に関しての助言を行いません。あくまでも喪主と菩提寺との直接交渉になります。
埋葬するまでに掛かる費用の総額を知る事の大切さ
家族葬・火葬式(直葬)をされる殆どの方は毎月の収入を頼りに生活費を捻出し、住宅ローン・生命保険料・医療費等を支払いながら貯金をし、自分の老後の心配もしなければいけません
家族葬・火葬式(直葬)をされる殆どの方は毎月の収入(給与・年金)を頼りに生活費を捻出し、住宅ローン・生命保険料・医療費等を支払いながら貯金をし、自分の老後の心配もしなければいけません。日常生活を送る中で、非日常的な葬儀費用の出費に関しては深く考えたくないのは当然です。 ましてや、納骨までに予算外の出費が生じた場合は大きな問題です。安全な旅立ちを祈願したはずの家族葬・火葬式(直葬)が、後日、追加費用の請求にご遺族は仰天し、一時的に生活が圧迫されると云った不安が念頭をよぎるかもしれません。喪主やご遺族は、部分的な支払ではなく、一(いち)故人を埋葬するまでに掛かる費用の総額を知る事を望んでいます。
埋葬するまでに掛かる一般的な費用
尚、下記は目安では有りますが、一(いち)故人を埋葬するまでに掛かる一般的な費用を列挙しました。葬祭業は地域性が非常に強い職種の為、地域によっては習慣が違い、各項目に割り当てる予算は異なりますので、ご自分の地域性に合った家族葬・火葬式(直葬)をされる事をお薦めします。
- (葬儀費用) 葬儀社への支払: ご逝去から火葬までに掛かる費用
例: 祭壇料金、返礼品、飲食代、オプション料金等 - (埋葬費用) 墓地・霊園・散骨業者への支払: 火葬から納骨まで掛かる費用
例: 墓地の購入、墓石への戒名彫り、散骨 - (宗教関連費) 宗教者への支払:
例: お経料、戒名、謝礼、車代、お膳料等、宗教に掛かる費用
埋葬するまでに掛かる一般的な費用
もし、知人、友人、或いは親戚が「葬儀に200万円掛かった」というお話しを聞きましたら、200万円の内訳を確認する事をお勧めします。
葬儀費用、埋葬費、そして宗教関連費にいくら掛かったかを知る事が大切です。一見して、お経、祭壇、火葬業務、墓石の材質は、どの業者に依頼しても類似品、類似サービスの提供にしか見えませんが、葬儀社の施行能力、墓地の坪面積、寺院の等級はそれぞれ、葬儀社の営業年数、その地域の土地面積、檀家数と歴史によって異なります。
限界集落の寺院の等級が京都、奈良、鎌倉の寺院の等級と同等でないのと同じです。石材店も同様、CADを使用しての設計か、それとも手書きの設計か。葬儀社も同様、派遣社員に依存する1人事業主か、それとも法人化された組織か。ご遺族に満足して頂ける家族葬・火葬式(直葬)を提供するのには、葬儀社はその地域の習慣、地域性に精通していなければなりません。
祭壇を飾らない地域もあれば、簡易祭壇を納骨まで飾り続ける地域も有ります。骨壺の替わりに麻袋を代用する地域も有ります。食事を振舞う代わりに香典返しを豪華にする地域も有ります。この様な些細な情報を把握しておく必要があります。大切な事は地域性や地域の習慣にあった家族葬・火葬式(直葬)を執り行う事であり、他者の予算の振分け方や家族葬・火葬式(直葬)の考え方に左右されない事です。葬儀は自分の尊属・卑属に関わる儀式で有り、支払義務がない第三者からの助言は無責任な発言です。
個人的な見解ですが、低価格を売りとする葬儀紹介サイトは地域性を活かした葬儀の施行に注力していないと思います。
紹介手数料を得るのが本業だからです。
葬儀相談、受付のコールセンターは大抵喪主が在住する地域外で運営されています。当然、電話を受ける職員は全国津々浦々の葬儀に関わる風習や地域性を把握しておりません。
しかし、地元密着の火葬本舗は商圏を藤沢市・茅ケ崎市に限定する事によって、低価格と対応力の両立が実現できました。火葬本舗は紹介サイトの様な利益追求型の企業ではなく、満足度追求型の企業であります。
これが類似するサイトとの最大の違いかもしれません。