家族葬の意味

家族葬とは何か

少子高齢化、景気の停滞、生活環境やデジタル化による価値観の変化は従来の冠婚葬祭の在り方に影響を与え、家族葬と云った新たな形式の葬儀を創り出しました。

少子高齢化、景気の停滞、生活環境やデジタル化による価値観の変化は従来の冠婚葬祭の在り方に影響を与え、家族葬と云った新たな形式の葬儀を創り出しました。 

 

地域性、人口動態、65歳以上の高齢者数の割合は各市町村よって異なりますが、近年、各都道府県で家族葬を選択されるご遺族は増えています。問題は一般的な認識として、家族のみで執り行う葬儀の事を家族葬と呼び、これ以外には明確な定義、尺度等はなく、10社から見積もりを依頼すれば、10通りの見積りと10通りの家族葬の説明を受けます。 

 

人の性格同様、各ご遺族の考えによって家族葬の在り方は異なり、他家の情報や請求金額は比較対象にならず、全て自己判断の下で詳細を決めて行かなければなりません。多くのご遺族は悲しみと費用を両天秤に掛けながら漠然とした気持ちと不安を抱えながら家族葬を営まれています。

 

例えば、廉価な価格設定を家族葬と思われるご遺族も見受けられます。この様な見解はある程度危険を伴います。 

 

最安値の家族葬専門のネット業者に依頼した結果、知識、経験不足の担当者が家族葬の長所や短所等の助言を出来ず、葬儀中に予期せぬ会葬者の参列に戸惑い、家族葬ですからお引き取り願いますと、一方的に礼に失する対応で帰らせてしまった例は後を絶ちません。

 

また、ご遺族の家族葬のイメージが家族のみと考えていたため、祭壇も飾らず、菩提寺も呼ばずに火葬を済ませてしまい、当日、寺墓地で納骨を拒まれた事例等は決して珍しくはありません。 

 

葬儀社の助言と知識不足で心暖まるはずの家族葬が後悔と憤りの家族葬となり、故人を満足に送り出せなかった無念のみ残る思い出になります。

 

最近、テレビコマーシャルで「納得いかなければ、全額返金」と宣伝をするネット葬儀者が脚光を浴びておりますが、裏を返せばこの様な過度な遺族への品質保証は、委託業者(ネット業者の下請葬儀社)には「返金」と云った違約金を課さない限り、誠心誠意をもって対応をしないと言った裏付けかもしれません。

 

後悔しない、正しい家族葬

後悔しない、正しい家族葬とは何かと考えた時、何を基準として考えるべきか?

家族葬は参列者の人数で定義するのか、それとも葬儀費用の総額で決定するのか、それとも、司式者不在の葬儀を家族葬と呼ぶのか。

 

各ご家庭、ご遺族の社会的地位、経済状況、価値観、交友関係、各都道府県の平均年間所得等によっても判断は異なります。 但し、全ての家族葬の唯一の共通点は他家との比較対象が非常に難しく参考にならない事です。

 

例えば、参列者30人以下を家族葬と解釈する遺族もおれば、10人以下の参列者を家族葬と考える遺族もおります。 

 

一方、遺族、親族でありながら喪主が人数を制限し、限定する家族葬も見受けられます。高齢、健康状態や体力、或いは、遠方により移動手段に制限がある等を理由に参列を控えて頂く家族葬もあります。まして、最近は自治会の希薄化や、会社で仕事以外、私事には一切関与しないと云った風潮が強い為、冠婚葬祭の行事でも同僚に声も掛けず密かに済ませてしまう傾向が10年前よりも増加しています。 

 

マスコミや一部葬儀社では「秘密」・「内密」に済ませる葬儀の事を「密葬」と呼んでおりますが、本来の「密葬」の意味から逸脱しています。「密葬」とは事前にご遺族のみで故人を火葬し(一種の家族葬)、後日改めて骨葬の形式で近親者以外の会葬者を招いて通夜、葬儀、告別式を執り行う事を示します。

 

家族葬が増えるに従って、喪主が葬儀に触れる機会も少なくなり、もしもの時には一層戸惑い不安に駆られます。25年前は葬儀となれば両親、親戚、叔父、叔母、或いは、町内会長から助言を頂けたが、最近はこの様な傾向はすっかりなくなり、葬儀相談は葬祭ディレクターにお願いするのが当たり前の時代になりました。 

 

かつてその地域の習慣や歴史は聞けたが、今は多くの地域では人口の転入転出が激しい為、どの地域でも過去を知る「地元民」が少なくなっています。 

口伝えで知識や歴史を継承していった時代から、葬儀も葬祭ディレクターや葬儀を専門書籍から情報を得る事が主流となり、いつしか書店や図書館でも葬儀を扱うコーナーを見かける様になりました。 

 

知識を収集する方法はさらに進化し、タウンページからインターネットへと調べる方法が変わりました。今では「家族葬」「お布施」「葬儀」「費用」等、個別に「ワード」を検索するのが新たな潮流となり、知識に対する考え方も以前のように広く浅く知る事から狭く深く専門的な知識を求めるようになりました。 

 

時代の流れに合わせるかの様に、各葬儀社、葬儀紹介サイトは自社の特色(専門性)をホームページに反映させ、自社に都合の良い家族葬の情報を掲載しマーケティングをしています。この狭き深い知識こそ誤った葬儀社選びのはじまりであり、後悔する家族葬への歩み出しになりかねません。

 

仮にYahooで「家族葬」と
検索されては如何でしょうか? 

トップページ上位には家族葬に関係する宣伝(検索連動広告等)が掲載され、金額以外優位性を感じさせない葬儀社が画面を覆い尽くします。

トップページの上位には家族葬に関係する宣伝(YAHOO広告等)が掲載され、金額以外優位性を感じさせない葬儀社一覧が画面を覆い尽くします。商品券や値引きを引換にする高評価レビュー、所在地不明の委託業者、説明責任、役務内容を明確にしない担当者、この様な業者に身内の家族葬を依頼した際、依頼者は式が進行するにつれ不安になるのは当然です。 

 

後悔しない為の業者選びには下記内容をスマホの画面上ではなく実際に葬儀社へ赴き確認する必要があります。

 

仮に10万円以上の高額商品を購入される際、商品やサービスの内容を細かく確認せず、「ワン・クリック」でカード払いされますか?200万円していた葬儀一式の費用が30万円になったとしても、30万円は高額商品です。 

 

最初の金額設定が高いから安く見えるだけであって、30万円を一世帯2.39人(2021年平均世帯数の人数)の食費に換算した場合、何カ月分の食費でしょうか?多くの方は購入される前に店舗に赴き、販売員と交渉し、購入に当たっての経験を総合評価した上で購買に至ると思います。葬儀は安価な商品ではありません。「ワン・クリック」以上の重みのあるサービスです。後悔しない家族葬を執り行なう為には、下記の項目を確認しましょう。

 

後悔しない為の業者選びの確認事項

 

  •  依頼先の葬儀社は元請けか、それとも、ネット葬儀社の下請け
  •  法人化された葬儀社か、それとも、事業主1人だけの個人事業
  •  葬儀社として安置設備、打合部屋等を所有しているか、それとも、事務所も持たずにご遺体搬送業者の事務所内を間借りして業務を請負おっているか
  •  お問合わせはコールセンター等で請け負っているか、それとも、個人携帯への転送か
  •  葬祭ディレクターは在職しているか
  •  葬儀社職員の制服は統一しているか
  •  問合せ先の葬儀社の特色は感じられるか
  •  低価格以外の魅力は感じられるか
  •  各葬儀の形式(火葬式、家族葬、一般葬等)の違い、長所や短所等の説明を葬儀社側から積極的に説明は有ったか
  •  葬儀に携わる担当者は自社社員か、それとも派遣社員か
  •  複数のネット葬儀社に加盟していて、同一内容のサービスを違う価格帯で施行を請負っているか
  •  自社価格表とネット葬儀社から請負っている価格表に差があるか(二重価格か)
  •  24時間365日葬儀料金の問合せや質問に対し、即、明確な答えが出るか
  •  寝台車・霊柩車は貨物運送事業法に基づき、営業許可を取得した車両であり、違法行為の白ナンバーではないか
  •  24時間365日、土日、祝祭日、暦(こよみ)関係なく故人の搬送を受けてくれるか
  •  葬儀後の諸手続き(法事、相続、役所届け、各種会員証・権利証の返却)等の説明はあったか
  •  葬儀終了後の相談を受けてくれるか
  •  宗教者との交渉はしてくれるか
  •  自社式場を所有しているか

 

 

上記のチェックポイントを確認すれば、きっと本当に家族のためといえる葬儀が執り行えるでしょう。